【山形】風疹、県内でも広がり 4日連続確認、妊娠初期は特に注意

地域 2018年11月16日 (金)配信山形新聞

 首都圏を中心に流行している風疹の感染は県内でも広がっており、県は15日、寒河江市内の30代男性が新たに感染したことを明らかにした。発症の確認の発表は4日連続で、届け出は7人となった。妊娠初期(20週まで)の女性が感染すると、赤ちゃんに先天性の障害が出る恐れがあり、妊婦がいる家族や職場などを中心に抗体検査やワクチン接種を呼び掛けている。

県薬務・感染症対策室によると、県内では8月に5年ぶりの感染を確認した。県外の10代男性が8月中旬に置賜地域の親戚を訪ね、滞在中に体調を崩して発症が分かった。その後も山形市内の30代男性2人、酒田市内の30代男性、山形市内の40代男性、東根市内の30代男性、寒河江市内の30代男性が感染。7人のうち5人が2、3週間前に関東地方に出掛けていた。いずれもワクチン接種歴は不明という。

風疹はウイルスで感染し、潜伏期は2~3週間。主な症状は発熱や発疹で、飛沫(ひまつ)感染などで拡大する。国立感染症研究所の集計では、国内の今年の累積患者数は7日現在で1884人を数え、昨年1年間の20倍となっている。

妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんが難聴や白内障、心疾患などの先天性風疹症候群を発症する恐れがある。県は▽妊婦は人混みを避ける▽妊婦の周りにいる人は抗体検査やワクチン接種を検討する―などを求めている。

最も有効な予防策は2回のワクチン接種だが、国の定期予防接種制度の変更などにより、30代の男女は中学生の時に個別に1回の接種を受けたのみで、40代以上の男性は1回も接種していない場合が多いなど世代によって状況が違うという。同室は「まずは医療機関などで抗体検査を受け、その数値が低い場合はワクチン接種を受けてほしい」とする。

2次、3次感染を防ぐため、既に県は医療機関に対し、風疹が疑われる患者を診察した際は最寄りの保健所にすぐに連絡するよう通知した。インフルエンザの流行期が近づく中、県民には高熱や発疹などの症状が出た場合は、必ず事前に医療機関に連絡した上で速やかに受診するよう求めている。

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